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アクアポニックスで地域おこし?

先日、Youtubeで動画を見ていたらこんな動画を見つけました。

当団体は、さくらんぼ農家の方への聞き取り調査を実施するなど、これまでも農業に関する活動も行ってきました。

が!、知りませんでした。

すでに、日本国内でも事業化している事業者等もあり、様々な情報が得られることもわかりました。

一般に、農業関係で新しい仕組みなどを導入すると、多額のコストがかかりますが、このニュースで紹介されている事例を見る限り、導入にあたってのコスト的な障壁は少ないのではないかとも思われます。

海外(アメリカ)のサイト「Sensor」(水質センサー販売の事業者のようです)ですが、「Aquaponics vs Hydroponics」(アクアポニックス vs 水耕栽培)という記事でまとめられていましたので、内容を紹介します。(アクアポニックスとは何か?いう方は、「AQUAPONICS さかな畑」を見ていただくとよく理解できます。)

以下、上記サイトからの抜粋

 

1.アクアポニックス vs 水耕栽培

(1)アクアポニックス -Aquaponics-
アクアポニックスは、魚と植物を同じ環境で育てる栽培方法です。この栽培方法では、魚の排泄物が周囲のバクテリアによって直接硝酸塩に変換されます。この硝酸塩を植物の栄養として利用し、残った水を有害物質のない状態で魚に戻すことで、窒素サイクルと呼ばれる効果的かつ効率的な成長サイクルを実現しています。
廃棄物の蓄積は、最終的にタンク内の魚のための有毒になりますが、水に導入されている細菌は、魚のいずれかが悪影響を受ける前に有用な硝酸塩に廃棄物を変換します。アクアポニックスの農業と成長の方法は簡単ですが、メディアベッドや垂直タワーから栄養フィルム技術まで、この方法に使用できるさまざまなシステムがあります。

(2)水耕栽培 -Hydroponics-
水耕栽培とは、土を使わずに化学肥料と水だけで植物を育てるポピュラーな栽培方法です。バジル、レタス、トマトなどの栽培には、全米でこの栽培方法が採用されています。
水耕栽培は、栄養分を多く含んだ水溶液の中で植物を育てます。植物の根は、栄養豊富な水の中に直接浮遊しているので、成長に必要な物質を得ることができます。同時に、植物の残りの部分には酸素が供給されるため、成長プロセスを問題なく継続することができます。水耕栽培システムにはさまざまな種類があり、そのほとんどが水の流れ方や植物への到達方法を変えるバリエーションがあります。

 

2.アクアポニックスと水耕栽培の違いについて

水耕栽培とアクアポニックスは、どちらも植物を育てる方法として非常に有効ですが、この2つの方法にはいくつかの大きな違いがあり、どちらが最適かを判断する前に知っておく必要があります。
アクアポニックスと水耕栽培の主な違いは以下の通りです。

(1)化学薬品による栄養補給のコスト
水耕栽培では、化学的な栄養素を使用する必要があり、そのコストは非常に高いものとなります。一方、アクアポニックスシステムで使用される魚の餌は、はるかに手頃な価格です。

(2)養液の保持
水耕栽培では、水に高濃度の栄養分を含ませる必要がありますが、塩分や化学物質が多く含まれているため、水が植物にとって有害な状態になることがあります。そのため、水を定期的に廃棄する必要があります。アクアポニックスシステムを使用する場合、窒素は水の中で完全にバランスされているので、水を交換する必要はありません

(3)生産性
アクアポニックス・ガーデンが完全に稼働した後、約6ヶ月かかりますが、植物の成長結果は、水耕栽培システムと比較して、わずかに効率的です。

(4)メンテナンスの容易さ
アクアポニックスシステムは、ほとんどメンテナンスを必要としません。一方、水耕栽培システムの水の電気伝導率は、日常的にチェックする必要があります。アクアポニックスシステムでは、アンモニアとpHの値は週に1回程度、硝酸塩の値は月に1回程度チェックするだけでよいでしょう。

(5)有機的な成長
水耕栽培システムの環境は、自然の中で人工的に作られています。アクアポニックスシステムは、完全に自然な生態系を再現するように設計されています。水耕栽培システムで使用されている栄養素は、環境のために理想的ではなく、様々な塩や化学物質で構成されます。アクアポニックスでは、植物性食品は、有機的な成長を可能にする、魚の排泄物を変換する自然なプロセスから作られています。

(6)殺虫剤
水耕栽培では、土がないために虫の問題は少ないのですが、アザミウマやハダニなどの特定の虫は、厄介な存在として対処する必要があります。水耕栽培システムでは、これらの昆虫を取り除くために農薬を使用する必要が生じる場合があります。しかし、アクアポニックスシステムでは、魚に害がないことを確認するために、非化学的な方法により害虫への対処が必要となります。

(7)pH
pHは、水を利用した栽培方法の中核をなす要素です。水耕栽培システムを使用する場合、水のpH値は5.5〜6.0である必要があり、これはやや酸性の水になります。一方、アクアポニックスシステムのpHレベルは、中性と考えられる6.8〜7.0程度であることが望ましいとされています。

引用おわり

 

いいことづくめで、とっても面白そうな試みなので、当団体でも遅まきながら情報収取に着手しましたが、様々な可能性があるように思います。

上記動画(ニュース)では、副業や障碍者施設での導入などに言及されていますが、それ以外にも、「農家の高齢化対策」、「被災地の復興住宅でのコミュニケーションツール(孤立化抑止)として」、「高齢者入居施設での生き物とのふれあい」など、導入コストの安さとシステム維持の簡便さが確保できれば様々な目的で導入が進むかもしれません。

課題は、どんな魚を育て、そんな植物を栽培するか?ということでしょうか?

可能な限り、データを共有化して、システムをパッケージ化できれば、誰でも導入できるのかもしれません。